オンラインイベント登壇者のための TIPS

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新型コロナウイルス感染症の対策として登壇者も全員自宅からリモート参加するタイプのイベントが増えてきました。

こういったオンラインイベントのホストを何度か経験し、注意すべきポイントが見えてきたので 今回は「登壇者用」の Tips を共有します。

なお、このドキュメントは公開前に何名かに共有し、ノウハウを追記してもらっています。協力いただいた方、ありがとうございました!

オンラインイベントそのものの Tips については「オンラインイベント開催のガイドライン」をご覧ください

事前に注意・確認しておくべきポイント

  • 映像
    • 顔が暗くならないように
    • 部屋の照明の位置によっては顔がとても暗く映ってしまう場合があります
    • 後ろに窓があると日中は逆光となり、とても暗く映ることもあります
    • 自撮り照明などを用いて顔を照らし、明るく映るようにしましょう
    • こだわる方はスリーポイントライティングなどの照明のテクニックで陰影のある映像にすることもできます(参考動画
  • カメラ位置
    • ノートパソコンのカメラを用いる場合、下から見上げる映像になり写りが不自然になります
    • 可能ならば目線と同じ高さにカメラが位置するよう調整しましょう
  • 人物のアップ
    • カメラの位置が遠すぎると、顔が小さく映ってしまう場合があります
    • 胸から上が映るぐらいのアップを心がけましょう
    • ご利用の Web カメラ によっては画角を調整できるソフトウェアが存在します(例:Logicool Caputure
  • 背景にこだわると格好がよい
    • 人の背後に映る背景は映像の印象を左右します
    • 素敵な部屋に住んでいなくとも部屋を片付けておく、あるいは背景を変更できるアプリを使うことである程度は解決できます
  • 背景がボケるとかっこいい
    • 人にフォーカスをあて、背景をボカすことで印象的な絵になります
    • ご利用のカメラによっては背景をボカすことも可能です
    • 一般的なWebカメラやお部屋の広さでは難しいので、背景ボケはこだわる方のみチャレンジしましょう
  • 遮光カーテンがあると安定する
    • 部屋は日中と夜で明るさがかなり違います
    • 遮光カーテンを用いると照明環境を安定させることができます
  • カメラ目線を意識する
    • オフラインのイベントと違い、観客がいないオンラインイベントでは登壇者の目線がモニタに集中しがちです
    • カメラ目線を心がけるべきですが、慣れないと難しいかもしれません
    • カメラに人形をくくりつけ、人形に向かって話しかけることを意識すると良いかもしれません

こいつは目が合わず上手くいかなかったかも

  • 音声
    • マイクの優先度は低い?
      • 最近のノートパソコンや Web カメラのマイク性能はかなり良いです
      • 専用のマイクを買い足す必要は低いかもしれませんが、以下の問題がある場合は指向性の強いマイクを用いたり、インカムを用いることをおすすめします
        • 部屋のノイズが多い
          • エアコンの音がうるさい、お子さんやペットがいる、といった場合は口元にマイクがあるインカムの利用が適切かもしれません
        • キーボードを操作する
          • とくにノートパソコンのマイクではキーボードの操作音を拾いがちです
          • ライブコーディングの場合は臨場感があって良いですが、そうでない場合はわりと煩く感じられます
        • 絶叫する、大声を出す
          • ポップガードを付けたマイクを用いたほうが良いかもしれません
      • マイクとスピーカーの位置が適切でなかったり、相性が悪かったりするとハウリングや音声ループの原因ともなります。この場合はスピーカーではなくヘッドホンを使う、などで対処しましょう
  • 資料
    • スライドの共有は事前にテストし、どのように映るか確認しましょう
      • ご利用になるビデオ会議やオンラインライブのサービス、自分のPCの環境により操作方法や見え方は異なります
      • 登壇者と視聴者(ビデオ会議に参加している配信担当者)でも見え方に違いが出てきます
      • スライドノートなどの使い方も異なってきます
      • 事前に配信担当者と一緒にスライドがどのように映るかを確認しておきましょう
    • 動画を用いる場合
      • 動画の音声がビデオ会議に流れない場合があります
      • 視聴者には動画が滑らかに見えない場合もあります
      • 配信担当者に動画を用いることを伝え、テストしましょう
      • 動画データを配信担当者に渡し、配信担当者側で再生することも視野にいれましょう
    • 音楽を用いる場合
      • 第三者に権利がある音声を用いると、オンラインイベントを YouTube などにアーカイブした際に「権利上問題がある動画」と自動認識され、さまざまな支障が生じる可能性があります
      • ビデオ会議によっては音声を会話が分かりやすいように自動的に調整してしまいます。音楽にこの調整が適用されると不自然な音声になってしまうこともあります。
      • 音楽を用いる場合は配信担当者に事前に相談しましょう
    • スマートフォンの画面などを表示したい場合
      • 登壇者の環境やスマートフォンの機種や OS によって表示方法はさまざまです。事前に配信担当者に相談しましょう
    • 権利に注意する
      • オンラインイベントはYouTubeなどにアーカイブされ、長く残り続ける場合が多いです。そのため、資料中に第三者の権利を侵害する可能性のある動画やロゴなどを含める場合は十分注意しましょう。動画内の資料の内容の後ほど編集して削除するには大きな手間がかかります。
  • パソコン
    • 2画面あると便利
      • ビデオ会議用のモニタ、関係者とのチャット用や資料用のモニタに分かれていると便利です
  • スマートフォン
    • PCとは別にスマートフォンを見える場所に置き、オンラインイベント関係者とのチャット用にするといった工夫が有効です。ビデオ会議に参加しているPCと分けることで通知音が乗るといったトラブルを避けることができます。
    • PCがトラブルを起こした場合、スマートフォンから急いで参加しなおすということも視野に入れておきましょう。
  • 時計
    • オフラインイベントと異なり、持ち時間を過ぎてしまっても司会は注意しづらく気づきにくいです
    • わかり易い場所に時計(物理)を用意しておくことをおすすめします

当日注意すべきポイント

  • パソコン
    • パソコンの安定性を高める
      • イベント中利用しないアプリは終了しておきましょう
    • 通知を消す
      • チャットなどの通知を伴うアプリは終了するか通知音をオフにしておきましょう
    • 見えてはいけないものは隠しておきましょう
      • 登壇中、うっかりデスクトップ画面や意図せぬウィンドウが映ってしまう場合もあります。見られて困るものは隠しておきましょう
  • 音声
    • ミュート!
      • 必要なとき以外はマイクをミュートしておきましょう
    • ミュート解除は忘れずに
      • 登壇開始時にマイクのミュート解除を忘れてしまうことが多々あります
      • 司会が「次は○○さん。ミュートを解除してお話しください」と声をかけると解除忘れが減ります
    • ライブ再生もミュート
      • どのようにイベントが配信されているかを確認するためにライブイベントの配信を再生するのは効果的ですが、音声はミュートしておきましょう
      • ライブ配信の音声をマイクが拾ってしまうと音声ループが発生してしまう場合があります
    • スマートスピーカーはオフに
      • Google Home や Alexa などのスマートスピーカーはオフにするか音量を絞っておきましょう
      • 登壇中に反応し、音声がマイクで拾われてしまう場合があります
  • 服装
    • 輪郭がボケてしまわないように、部屋の背景に馴染まない服の色をお勧めします
    • 企業主催のオンラインイベントの場合は他社のロゴがプリントされたものや第三者の権利を侵害する恐れのあるデザインの服装は避けましょう
  • トーク・心持ち・SNS
    • オフラインイベント以上に画面に集中してしまい、トークが一本調子になりがちです
    • 登壇中に「私の声、ちゃんと聞こえてますかね?」「疑問があったらSNSに投稿してくださいね」といった視聴者への呼びかけを入れるとライブ感が高まります
    • 登壇中、一度ぐらいは参加者のコメントを拾ってレスポンスする機会を設けるとライブ感が高まります
      • 「この部分、コメントの反応が多いのでもう少し詳しく説明しますね」といった感じです
    • チャットなどで司会や配信担当者から指示が出る場合があります。スライドに集中しすぎず、チャット画面やSNSなどにも目を配りましょう
    • ちょっとしたトラブルはライブ配信の醍醐味
      • 音声が途切れたり、パソコンの調子が悪かったりする場合があります。ときには登壇中にお子様やペットが乱入してくる場合もあります。
      • このようなトラブルはライブ配信ならでは、でもあります。発生してしまったなら笑いや場を和ませることに役立ったと考えましょう。
    • タイムラグを理解する
      • 映像が視聴者に届くまで、数十秒ほどかかります。視聴者への呼びかけやQ&Aを行う場合にはタイムラグがあることを認識したうえで時間に余裕を持ちましょう