オンラインイベント開催のガイドライン
新型コロナウイルス感染症への対応として、国内外でイベントの中止が相次いでいます。
残念な状況ですが、このような状況だからこそ新たにチャレンジできることはないかと思い、オンラインイベント開催のためのガイドラインを作成してみました。
弊社はビデオ配信やオンラインイベントのプロではありませんが、これまでに多くの技術系コミュニティイベントをサポートし、またそれらのビデオ配信を行ってきました。
この経験をもとに作成したガイドラインです。
このガイドラインが正解だとは思っていません。もっと良いやり方はあるはずです。 ですが、まずは何らかの指針が必要だろうと思い、作成したてみました。
このガイドラインが何らかの形でオンラインでのイベント開催の参考となれば幸いです。
オンラインイベントの開催概要
YouTube Live を用いてビデオ配信を行います やり方によっては、講師もオンラインで参加してもらうことができます SNS や QAツール を使うことでインタラクティブなイベントができます ノートPCがあれば、機材やソフトウェアの購入なしでもオンラインイベントの開催が可能です
魅力的なオンラインイベント開催のためのポイント
オンラインイベントはオフラインとは異なった注意すべきポイントがいくつかあります。
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主催者も参加者も慣れと経験が必要
- Webinar のような一方的なオンライン配信はそれなりに一般化してますが「オンラインイベント」は主催側も参加者側もあまり経験してません。どのように盛り上げるか、どうやって盛り上がるかは主催者・参加者ともに慣れと経験が必要です。
- 慣れないうちは配信をミスしたり、うまくいかないこともあると思います。改善を積み重ねればより良いオンラインイベントが開催できるようになるはずです。
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主催者1人での開催はちょっと厳しい
- すごく慣れている方ならば配信・講師・司会を1人で行うこともできますが、かなり難しいです。
- オフラインイベントと同じように数名の主催者チームで開催することが望ましいです。
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役割分担ができるとクオリティが上がる
- 必要な役割はだいたい以下のとおり。慣れれば兼任も可能です。
- 司会
- オフラインイベントでは講師がしっかりしていれば司会は適当でも何とかなったりしますが、オンラインイベントでは重要な役割です。
- オフラインイベントと比べて、目の前に観客がいないオンラインイベントでは司会がしっかりと講師の話を聞き、適時つっこみや質問を交えることが重要です。
- 講師
- 基本的にはオフラインイベントと変わりないですが、観客がいない場でいつものように話すには慣れが必要です。
- 配信オペレーション -配信機材を操作したり、映像を切り替えたりする役割です。2名体制でできるとトラブル時でも余裕をもって対応できます。
- QA/SNS対応
- QAツールを操作したり、SNSでの投稿をチェックして司会や講師に伝える役割です。慣れれば司会が兼任することも可能です。
- 司会
- 必要な役割はだいたい以下のとおり。慣れれば兼任も可能です。
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映像はもちろん必須。しかし、品質は音声のほうが大事
- ビデオ配信なのでもちろん映像は必須ですが、じつは映像は多少途切れたり品質が悪くてもそれほど視聴者の満足度は下がりません(常時文字が読めないレベルの低解像度は問題外ですが)。
- むしろ、音声が途切れたり品質が悪いほうが満足度は下がります。
- 機材を購入するならば、カメラよりもマイクの品質のほうが重要かもしれません。
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無音は怖い
- 司会や講師が慣れていないと、会話が途切れてしばらく無音が続いてしまう場合があります。
- このときスライド画像だけが表示されていると、まったく動きのない映像になってしまい、これが5秒以上続くと視聴者が不安になります。
- 無音時は室内の音声ノイズを拾いやすくなり、意外とエアコンの音がうるさく感じたりもします。
- 常に小窓で司会や講師を写しておく、BGMを小さく流しておく、などの工夫があると安心です。
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音声モニタリングは大事
- 配信現場で直接聞いている音声と実際に配信されている音声ではボリュームに違いがある場合があります。
- とくに1台のマイクで複数人数の音を拾う場合に顕著です。人によって声の大きさが違ううえに、マイクと話者との位置関係で配信される音量はかなり異なってきます。
- 配信オペレーション担当者が実際の配信映像を確認し、音量を調整しましょう。
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無線LANより有線LAN
- 配信するPCは有線LANでネットワークに接続されていることが望ましいです。信頼できる無線LAN環境であれば良いのですが、そうでなければどうしても不安定になったり、速度が低下してしまいます。
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環境もわりと重要。静かで明るい場所が望ましい
- 室内の音声ノイズ(エアコンの音、キーボードを叩く音、他の人の会話など)は存外聞こえてしまうものです。静かな部屋で配信できることが望ましいです。
- 一般的な室内では配信するには照明が暗い場合があります。映像設定で明るさをある程度コントロールすることもできますが、それにも限度があります。
- 暗い映像はとても悲しい雰囲気を醸し出すので、明るい場所で配信を行うか、スポットライト的なものを用意しましょう。
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台本も大切。簡単なものでもあると良い
- 簡単なもので良いので台本を作り、関係者で共有しておくと安心です。
- 観客が目の前にいないと思いの外イベントのリズムがつかみにくいので、詰まったときに「次なにしよう」が台本で分かると助かります。
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配信は 5-10 分ほど前から始めると視聴者は安心
- 開始前から配信ページにアクセスする視聴者は多いです。そんな方のために、イベントタイトルやタイムテーブルなどを記したスライドを表示しておくと安心です。
- 開始前から司会や講師が SNS 投稿やチャットを初めておくと、暖まった雰囲気でオンラインイベントがスタートできます。
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イベント終了後も10分ほど配信しておくのも効果的
- イベント終了・即配信終了だと唐突感があります。
- YouTube Live のチャット機能を用いて感想を述べたり、アンケートURLや次回の予定などをスライド表示しておくだけでも余韻があって良いです。
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休憩時間も大切
- 1時間を超える配信になる場合は途中で5-10分ほどの休憩を入れると司会や講師だけでなく、視聴者も楽になります。
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リアクションの薄さがオフラインイベントとの違い
- オフラインイベントとの最大の違いは視聴者のリアクションが分かりづらいことです。
- 目の前に観客がいないので反応が分かりづらいく、視聴者もあまりTwitterなどで反応してくれない場合が多いです。
- そのため、司会がオフラインイベントよりも強めにリアクションすることが大切になります。
- 視聴者にも積極的にリアクションを促すことも大切です。
- QAツールのアンケート機能を使うとリアクションを効果的に得ることができます。
- 会場に数名の観客を招くのも効果的です。
- SNSやチャットを盛り上げるには、イベント開始前から司会や講師が気軽な感じ投稿し、空気を温めておくことも効果的です。
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遅延があることを前提に
- 配信した映像が視聴者に届くには数秒 – 数分の遅延が発生します。
- 司会や講師が「質問ありますか?」と問いかけてから視聴者の返事が帰ってくるまでに間があくことがあることに留意しましょう。
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コミュニケーションチャンネルは整理して明示する
- オンラインイベントの場合、概ね以下の 4 つのツールで視聴者とコミュニケーションすることになりますが、チャンネルが多すぎると分かりづらく、結果としてリアクションが乏しくなる場合があります。
どのチャンネルをどのような目的で利用するかをイベント開始時に伝えることが必要です。
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Twitter などの SNS
- ハッシュタグを定めて投稿を促します。
- 拡散性が高く、盛り上がり感も出せるのでこのチャンネルをメインにするのが一般的です。
- SNS で気軽に投稿することに慣れていない方、アカウントを知られたくない方はリアクションしづらい場合があります。
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YouTube Live のチャット
- YouTube Live で配信する場合はチャット機能が使えます。
- 気軽に投稿しやすいチャネルですが、SNSと役割が被るのであえてオフにしておくことも選択肢です。
- Googleアカウントと紐付いているので、アカウントを知られたくない方は利用を控える場合があります。
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Slack や Discord
- すでにコミュニティでお使いのコミュニケーションツールがあるならば、それを利用するのも効果的です。
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QAツール
- sli.do が便利です。
- 匿名でも利用できる点がポイントです。
- 質問やアンケートに特化してるので他のチャンネルと競合することはありません。
- ライブアンケート(Polls)はインタラクティブ性が高く、オンラインイベントに参加している感を演出できます。
- 無料版では質問やアンケートの結果がダウンロードできない、アンケートの数が限られるといった制限があります。
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- 上記のチャンネルのどれを用いるか、どのように使って欲しいかをイベントページや事前に送信するメール、イベント開始時の司会からのメッセージでしっかり伝えることが必要です。
- オンラインイベントの場合、概ね以下の 4 つのツールで視聴者とコミュニケーションすることになりますが、チャンネルが多すぎると分かりづらく、結果としてリアクションが乏しくなる場合があります。
どのチャンネルをどのような目的で利用するかをイベント開始時に伝えることが必要です。
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配信映像を記録して後日公開するかどうかはイベントの目的次第
- イベントの映像を録画し、アーカイブとして後日公開できる点がオンラインイベントのメリットでもありますが、一方で記録に残ると話しづらい内容もあります。
- 後日公開となるとリアルタイムでイベントに参加する必要が減るため、視聴者が減るデメリットはあります。(多くの方は結局、後日公開された映像を見みません。見たとしてもスキップしながらの要所だけを見ることになります)。
- アーカイブ化が必要でなければ、後日公開しない、と事前に明言しておくことも検討の価値があります。(もちろん、視聴者が勝手に録画し公開してしまう可能性はあります)
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集客ページはあったほうが良い
- 定員がないオンラインイベントであっても、Connpass などで集客ページを作成し、参加者を募ることが望ましいです。
- 集客ページで事前に質問を募っておけば司会や講師が話しやすくなります。
- 配信URLの変更や資料やアーカイブした映像のURLの連絡なども行いやすくなります。
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関係者のデブリーフィングは大切
- 配信終了後、司会や講師、スタッフ感で懇親しつつ配信を振り返る時間は大切です。
- 講師がオンライン参加の場合は10分ほどで良いのでビデオ会議などで関係者で話すことも効果的です。講師が自宅からオンライン参加で配信終了後に何もしないと、いきなり現実に一人取り残された気がしてちょっと悲しい気分になることも。
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さらに細かいポイント
- YouTube Liveを利用するにはスマホを用いたアカウントのアクティベートが必要。すぐには反映されない場合があるのでイベントの数日前には事前にアクティベートしておきましょう。なお、アクティベートには携帯電話番号が必要となりますが、1つの番号では1年間で2つのアカウントしかアクティベートできません。
- BGM は権利上問題ないものを選ぶこと。YouTubeにアーカイブした際に権利上の問題で公開できなくなる場合があります。
- スマホの画面を配信するのは難易度が高い。Android 端末はかなり大変です。
- Android 端末は ほとんどの機種で画面の HDMI 出力ができず、ChromeCastなどを経由する必要があります。また、出力された映像は HDCP で保護されている場合があるため単純には配信できない場合があります。
オンラインイベントに必要な機材 / ソフトウェア / サービス
頑張ればカメラのついたノートPC1台だけでオンラインイベントを開催することも可能ですが、機材があればイベントのクオリティが上がることも事実です。
以下では、あれば便利な機材や有料サービスについて説明します。
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スケッチブック / 磁気メモボード
- 配信スタッフや司会から講師に諸々を連絡するためにあると便利です。
- A4コピー用紙にメモ、でも十分役立ちますが、あればあるで便利。
- 機材例:磁気メモボード
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マイク
- ノートPCのマイクは周辺音をよく拾います。とくにキーボードの音をよく拾ってしまうので、視聴者には不快になりがちです。
- スタンドマイクやヘッドセットマイクがあるだけで配信の音声クオリティはかなり上がります。
- USBに直接接続できるマイクもあり便利ですが、下に記したオーディオミキサー接続するために普通のマイクを用いることも効果的です。アナログで音量が調整できるのは便利です。
- 機材例:DEARING コンデンサーマイク(USB接続)
- 機材例:SMYPHA コンデンサーマイク(オーディオケーブル接続)
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オーディオミキサー
- 音声のボリューム調整がアナログにできるミキサーがあると便利です。マイクの音声をUSB出力できるものは配信との相性もよく、最近では安価なものも多く出回っています。BGM を流したい場合にも便利です。
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カメラ
- ノートPCのカメラはどうしても視点が下からとなるので、人を素敵に写すにはあまり向いていません。
- USB接続のWebカメラなどを用いることで視点の自由度が高くなります。
- 高品質なマイクがついたUSB接続可能なビデオカメラも存在します
- 機材例:ZOOM ハンディビデオカメラ Q8
- メーカー名はZOOMですが、ズーム機能はありません。
- 機材例:ZOOM ハンディビデオカメラ Q8
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照明
- 一般的な室内は思ったよりも暗く、司会や講師の顔色が悪く見えてしまいがちです。また、明るい部屋であっても照明が真上にあるため必要以上に顔に影が出てしまう場合や、蛍光灯の明滅がフリッカーとして映像に乗ってしまう場合があります。
- スポットライトやビデオ用の照明があるだけで、かなり見栄えは変わります。
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HDMIキャプチャー
- スライドやPCの画面を表示するために必要な機材です。ノートPCの画面をHDMIで出力し、その信号を HDMI キャプチャーからUSBに変換し、配信用PCに入力します。
- OBS Studio などの配信用アプリを用いればこの機材は不要になりますが、スライドを配信用PCに集約しておく必要がある、デモも配信用PCで行う必要があるなど、運用が大変になります。
- さまざまなHDMIキャプチャーが販売されていますが、PCとの相性がわりとあるため購入したHDMIキャプチャーが期待通りに機能しない場合があります。
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USB出力対応のビデオスイッチャー
- 複数の HDMI 入力をまとめ、選択した映像を USB 形式で出力することができます。PCからは USB Webカメラとして認識されるため、さまざまな配信サービスに簡単に対応できます。
- この機材があれば、HDMIキャプチャーは不要です。
- ちょっと前までは高額なプロ用機材でしたが、2019年末に低価格なものが発売され、一気に身近な機材になりました。
- 低価格なもの:ATEM mini
- 発表後、YouTuber界隈に衝撃が走った画期的な低価格なビデオスイッチャー。価格のわりに高機能。小さいので持ち運びにも便利。
- プロ用機材:Roland VR-4HD
- ATEM mini と同じような機能を持つが、高価格なだけあって以下の機能がさらに便利。
- 音声入力が豊富でコントロールも容易。
- プレビューモニタがあるので、どの映像を出力するか安心して選べる。
- ATEM mini と同じような機能を持つが、高価格なだけあって以下の機能がさらに便利。
- 低価格なもの:ATEM mini
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無料のソフトウェア / サービス
- YouTube Live
- Google アカウントが必要です。
- 配信オペレーション担当者はアカウント登録が必須です。
- YouTubeチャンネルを作りたいならば、コミュニティ毎にアカウントを取得し事前にチャンネルを作成しておく必要があります。
- Google ハングアウト
- Google アカウントが必要です
- ビデオ会議ツールです
- リモートで参加する講師や司会は必須です
- 使い方は別途紹介
- ビデオ会議として同時に参加できるのは 25 名までです。
- 有料版で利用できる Google ハングアウト Meet ならばプランによって 100 – 250 名まで参加が可能です。
- Zoom
- Google ハングアウト Meet と同じく、ビデオ会議ツールです。
- ログイン不要で参加できるので使いやすいです。
- 主催者はログインが必要です。
- 無料版では3人以上での利用の際に利用時間の制限があります、
- sli.do
- QAツールとして人気のサービスです。質問を集めるだけでなく、簡単なアンケートも可能です。
- 機能が豊富かつ、タイミングに合わせた運用が必要なため、司会や配信担当者とは別にオペレーターがいることが望ましいです。
- 無料版でも十分利用できますが、質問やアンケート結果をダウンロードすることができません。有料版ならばダウンロードが可能となります。
- OBS Studio(Open Broadcast Software Studio)
- オープンソースのビデオ配信用アプリです。無料です。定番です。
- 複数の入力ソースを管理し、自由自在に出力することができます。
- PCの特定のウィンドウをキャプチャして配信することもできます。
- 高機能すぎてちょっと扱いづらいかもしれません。
- マシンパワーをかなり必要とするので、このアプリを入れたPCを「配信用PC」として単独で用意するのが望ましいです。
- プレゼンタイマー
- 弊社が自社利用するために作ったWeb用プレゼンタイマーです。まだ公開するレベルではないですが、参考までにご紹介です。
- 講師に残り時間を示すためのタイマーです。
- 司会や進行担当が離れた場所から残り時間の変更を制御することができます。
- 講師に対して簡単なメッセージを送ることもできます。(声が小さい、もっと巻いて、など)
- アバター関連
- 利用したことがないのでノウハウゼロですが、VTuber界隈で発達しているアバターをうまく活用できると面白いかもしれません。今後、試してみたいと思います。
- YouTube Live
オンラインイベントのための準備、機材構成、運用
オンラインイベントの準備、機材構成、運用を2パターンご紹介します。
機材や環境でやり方は異なってくるかと思いますが、オンラインイベント開催の参考となれば幸いです。
■司会も講師もスタッフも自宅から参加する場合
- メリット
- 会場不要
- 機材購入なしでも開催可能
- デメリット
- 司会や講師、配信オペレーション担当者の意思疎通がちょっと大変
- 講師のパソコンやビデオ会議環境、経験がさまざまなため、トラブルが起こりがち(講師がセッション中に落ちてしまう、音声障害が起こるなど)
- ビデオ会議の画面を配信する、という段階を経るため、画質が劣化したり、遅延が多めに発生する場合がある
構成
- 司会、講師、QA / SNS 担当、配信オペレーションは各自自宅で自分のPCを用いてビデオ会議に参加
- 配信オペレーションはビデオ会議の画面を YouTube Live で配信
- 参加者は Twitter やチャット、 sli.do のQA機能でリアクションを発信
- QA / SNS 担当者がリアクションを把握し、司会や講師に伝える
流れ
- 司会、講師、QA/SNS担当、配信オペレーションなど関係者全員にGoogleアカウントを取得してもらい、関係者チャットを立ち上げる
- ポイント:通知音が配信に流れてしまうため司会や講師は自分が話すときにはチャットの通知音をオフにしておく
- 慣れたチャットツールがあるならばツールは何でも良い
- 関係者全員で Google ハングアウト Meet などのビデオ会議に参加する
- 配信オペレーションは OBS を立ち上げ、ビデオ会議の映像と音声をキャプチャし配信できるよう設定しる
- 必要ならば Twitter のタイムラインも配信画面に表示できるように設定しておく
- 配信オペレーションは可能ならばPCを2台用意し、ビデオ会議の設定や話者の切り替えやを行うPCと配信を行うPCを分ける
- ビデオ会議の設定や切り替えオペレーションが配信されてしまわないための対応
- ビデオ会議でイベントのタイムテーブルを関係者全員で確認する
- テスト&リハーサル
- 配信オペレーションはテスト配信を開始する
- 司会や講師、QA/SNS担当者は各自のデスクトップ画面をビデオ会議に表示するテストを行う
- 司会や講師は音声が正しくビデオ会議に流れているかをテストする
- ポイント:全員同時に音声をオンにして、ハウリングなどの音声障害が発生しないかを確認する。音声障害が発生する場合は喋る人以外はミュートしておくことを徹底する
- 配信オペレーションは上のテスト中に画面の切り替えテストを行う
- SNS/QA担当者はQAやライブアンケートがどのように行われるかをテストを兼ねて司会や講師に説明する
- リハ配信終了
- イベント開始直前
- 参加者に配信URLやQAツールのイベントコード、ハッシュタグなどを記したリマインドを送信
- イベント開始 5 – 10分前から配信を開始
- 司会や講師は SNS 投稿などを開始し、参加者にも投稿を促す
- イベント開始
- 司会が挨拶&説明
- イベントの映像を後日公開するか否かを明示
- 講師の資料を後ほど公開するかどうかを明示
- SNS、チャットの使い方を説明
- テスト投稿を促す
- オンラインイベントではフィードバックが大切なことを説明する
- QAツールの使い方
- ライブアンケートを行い、視聴者にテストしてもらう
- 講師が話す
- 自分のデスクトップ画面を表示し、セッションを開始する
- QAツールで質問を受け付ける
- 必要に応じてオンラインアンケートを行う
- 司会がQAツールで「いいね」が多い順から質問を行う
- 講師が回答
- (必要ならば)司会がSNSで拾ったコメントをいくつかピックアップし、講師に尋ねる
- 講師が回答
- 次の講師へ
- すべてのセッションが終了後、アンケートタイム
- アンケートはQAツールを使うも良し、Google フォームを使うも良し
- 司会がアンケート結果やイベント全体のまとめを伝える
- 司会が挨拶&説明
- イベント終了
- 次回の案内などを記した終了スライドを表示
- ビデオ会議は終了せず、配信されないようにする
- 配信終了
- イベント終了後、5分ほどして配信を終了
- 関係者でデブリーフィング
- ビデオ会議で関係者内で振り返りを行う
※ビデオ会議をそのままライブ配信できる Google Hangout OnAir がいきていればもっと楽だったのに…
■司会、講師、スタッフは配信会場に集まる場合
- メリット
- 司会や講師にとってはいつものオフラインイベントと同じ準備で良い
- 司会や他の講師、スタッフなどの表情や雰囲気を直接見られるので講師は話しやすい
- 講師のPCから直接配信機材に映像を出力できるので配信映像の質は高くなる
- 配信用のマイクを利用するので音声品質も安定する
- デメリット
- ビデオスイッチャーなどの機材が必要
- 会場に集まるのが手間
構成
- 司会や講師、配信オペレーションなどの関係者は1つの会場に集まる
- 講師のPCはビデオスイッチャーを介して配信PCに入力する
流れ
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司会、講師、QA/SNS担当、配信オペレーションなど関係者全員にGoogleアカウントを取得してもらい、関係者チャットを立ち上げる
- ポイント:通知音が配信に流れてしまうため司会や講師は自分が話すときにはチャットの通知音をオフにしておく
- 慣れたチャットツールがあるならばツールは何でも良い
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配信オペレーションは講演卓を設置し、マイクやHDMIケーブル、照明などを設置する。
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イベントのタイムテーブルを関係者全員で確認する
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テスト&リハーサル
- 司会や講師、QA/SNS担当者は順番に各自のPCをビデオスイッチャーにHDMI接続し正しくPC画面が表示されるかを確認する
- 登壇中の講師や司会以外が会話する場合に配信に音声が乗ってしまわないかどうかを確認する
- SNS/QA担当者はQAやライブアンケートがどのように行われるかをテストを兼ねて司会や講師に説明する
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イベント開始直前
- 参加者に配信URLやQAツールのイベントコード、ハッシュタグなどを記したリマインドを送信
- イベント開始 5 – 10分前から配信を開始
- 司会や講師は SNS 投稿などを開始し、参加者にも投稿を促す
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イベント開始
- 司会が挨拶&説明
- イベントの映像を後日公開するか否かを明示
- 講師の資料を後ほど公開するかどうかを明示
- SNS、チャットの使い方を説明
- テスト投稿を促す
- オンラインイベントではフィードバックが大切なことを説明する
- QAツールの使い方
- ライブアンケートを行い、視聴者にテストしてもらう
- 講師が話す
- 自分のデスクトップ画面を表示し、セッションを開始する
- QAツールで質問を受け付ける
- 必要に応じてオンラインアンケートを行う
- 司会がQAツールで「いいね」が多い順から質問を行う
- 講師が回答
- (必要ならば)司会がSNSで拾ったコメントをいくつかピックアップし、講師に尋ねる
- 講師が回答
- 次の講師へ
- すべてのセッションが終了後、アンケートタイム
- アンケートはQAツールを使うも良し、Google フォームを使うも良し
- 司会がアンケート結果やイベント全体のまとめを伝える
- 司会が挨拶&説明
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イベント終了
- 次回の案内などを記した終了スライドを表示
- ビデオ会議は終了せず、配信されないようにする
-
配信終了
- イベント終了後、5分ほどして配信を終了
-
関係者でデブリーフィング
- ビデオ会議で関係者内で振り返りを行う
最後に
このガイドラインは50名以上が参加する規模のセミナー形式のオンラインイベント用に記しましたが、もっと少人数だったり、ハンズオン形式の場合は単純に参加者にビデオ会議してもらうだけ、といった形もありかもしれません。
オンラインイベントの形に決まったものはないので、さまざまなコミュニティがいろいろな方法で取り組み、ノウハウが共有されていけばと思います。このノウハウは新型コロナウイルス感染症が落ち着いた後にも役立つはずです。
オンラインイベント開催についてのご相談やサポートの依頼があればこちらからご連絡ください。
コミュニティからの依頼については可能な限りサポートできればと考えています。 (懇親会スポンサーのように、企業などが配信スポンサーとして弊社に依頼いただける形だと助かりますが…)
投稿者:アビダルマ 横田 昌彦